舞い散る雪、暖かい部屋、家族、友情、恋心――
誰も気づかなかった
この館に隠れていた、狂気ある殺意を。

「ねぇ、『VDFIE』って知ってる?」

「闇オークション?億単位の金が動く?・・・夢見過ぎ。」
「その夢を真に受けた人間が、このペンションに何人いるんでしょうね?」



そして夢は現となり、幻想に憑かれた者達を狩ってゆく。



「何みんなで騒いでいるの!?ただのアルコール中毒者の凍死じゃない。」
「これは事故じゃありません、他殺です。」
「いいかげんにしてください!!お客様を疑うなんて出来ません!!」
「・・・やっぱり『VDFIE』が関係しているんですか・・・?」

『どうして、あの人は刺される必要があったの?』



少女は殺意の糸を手繰ってゆく。仮面を剥ぎ取る、その時まで。



「・・・物証が出ました。あなたの負けです。」

この言葉と同時に、狂気の第二幕は上げられた。

「何故殺さなきゃいけないの?何故殺されなければいけないの?」
「・・・勇敢な才媛さん、あの人を止めてください。お願い・・・」



「私は死ぬ気はないし、もう誰も殺させない。そんな安直な死は認めない!!」



欲にくらんだ者達、強く儚い者達に、救いはあるのか。




本編へ続く