さくら さくら  綻ぶ蕾 いつ散り去らん
散った さくら  ただ 流るるのみ
さくらの花  我が唄で咲き誇れ
誇りし さくら  言の葉に乗せて 悠久を昇らん
我が名において  全ては 泡沫の夢




人には定命ありき  産まるる時も老ゆる時も

「・・・・・・翡翠は、死なない。俺が守るから。」

九曜 渚(くよう なぎさ) 一白水星年七赤金星月生まれ
無口で何を考えているか傍目からは分からない12歳。唄守の一人。
歳不相応な落ち着きようと人形のような繊細なビジュアルで
女子の羨望を集めるも、本人はあまり自覚はないらしい。
目立つ事が嫌いな超個人主義者。協調性皆無。
歌守の任をつとめるために、公式な個人情報を操作して
15歳として翡翠のクラスメイトとなる。
電波的な勘が鋭く、変なものを買ってくる癖がある。

魂は流るる川の如し  流れ逆らうこと叶わず

「周りは敵だらけってか、嬢ちゃんと一緒だと退屈しねぇな。」

九曜 和貴(くよう かずたか) 六白金星年八白土星月生まれ
陽気で好奇心の強い、舌も行動も他人より三倍速で回る16歳。唄守の一人。
モテ顔でありながら情が深く責任感も強いので、
男女ともに慕われている。ちょっと皮肉屋。
夢想家である一方で自分も含め客観視することができる「眼」を持つが、
軽口でこれを隠している傾向がある。帰宅部だが、部活の手助けをしていることが多い。
最近の趣味は、翡翠をからかって遊ぶこと。

ただ迎うるは永遠の時  全てのものが朽ちる時

「安心してください、僕達はいつも翡翠の傍にいますよ。」

九曜 鴇人(くよう ときひと) 四緑木星年五黄土星月生まれ
歳相応の落ち着きと計画性、したたかさを併せ持つ23歳。唄守の一人。
早くから唄守の自覚に目覚め、翡翠を影に日向に守り抜くために教師となる。
今は、翡翠の通う高校の常勤教諭。どんな人にも柔和に対応できる。
上司や目上に人に対してもとても礼儀正しいので
職場では重宝され、上手くやっている。
表面上は穏やかに見えるが、
実はプライドが高いので本当に心を開く人は少ない。

魂はただ  我の唄で黄泉へと昇らん

「私は皆を殺す為に存在するんじゃない、共に生きる為にここに居るの。」

九曜 翡翠(くよう ひすい) 五黄土星年九紫火星月生まれ
有無を言わせぬ鋭い突っ込みで人をばっさり切り捨てる15歳。唄詠の後継者。
ショタ萌えのお姉様を悩ませる中世的容姿を持つ女子高生。
毒舌が冴える割には一人で心配事を抱え込む性質があり、
行動力はあるが、エクゾシストの実力は皆無に等しい。
幼い頃に両親を亡くしており、一時期祖父母に育てられるも途中で他界。
その時に「わらべ唄」と「御魂の指輪」を受け継いだ。



九曜の者、言霊により御魂を浄化せし唯一の存在。
九曜の者、天と地の境を潜る人として産まれ人ならざる存在。
九曜の者、その血において定めを負う。望む者も望まぬ者も。

九曜の者、唄詠を守りて集う。その姿、円の如くなり。



「さぁ、望みの通りに私の唄を聞かせてあげるよ。」




我はただ  墓標への道しるべ





本編へ続く