クリックすると、そこは雑多な幻想世界が広がっていた。



その住人たちは様々な形の夢を追う。

例えば、夢を綴るために日々の糧を求める者。

「私、今の職場クビになるかもしれない。
 上司から警告くらった。」
「・・・何をしでかした?」
「書類書いている途中で居眠りこいた。」
「警告で良かったね、姉さん。」

夢を描くことを望みながら、暮らしの中に埋もれる者。

「早く私のゲーム機器返せ。」
「ごめん、今割れない封筒探しているとこ。」
「かなり駄目くさいな。
 貴様、宅急公社の職員じゃなくて実は新聞配達員だろう。」
「ああ、今その宅急公社に聞いたら
 『割れない封筒なんて無いから梱包をどうにかしろ』
 とか言われた。」
「何でもいいから早く送れコラ。」

自分の無力さを突きつけられても、なお夢に追いすがる者。

「ちわーっす、クランベリーライスでーっす。」
「・・・10分超過。
 さぁ大人しくSORRY割引チケットよこせ。」
「隣に別の店あるのに、
 わざわざ遠いピザ屋でピザ頼んでるんじゃねーよ!!
 姉ちゃん!!」

信じたものに裏切られ、真の自分の夢を探す者。

「もう嫌!!世の中のためにあんた達を始末して私も死ぬわ!!」
「ちょっと待て、サボった弟なら兎も角
 まじめに更生している私まで殺される覚えはない。」
「どっちも役に立ってない所は同じよ!」
「どうでもいいけど母さん、猛獣を召還するのは止めろ!!!」



幾多の者達が、限られた生の中で夢を見る。

彼らの望む希望は、一体どんな場所にある?



答えは、常に自分の中に。



傍若無人なスチャラカファンタジー、blogにて不定期連載中。

乞う、ご期待!!



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